本文へスキップ

LM StudioとOllamaの比較:GUI/CLI・API互換・複数モデル・ライセンス

LM StudioとOllamaをGUI/CLI、モデル形式、OpenAI/Anthropic互換API、複数モデル同時ロード、ヘッドレス運用、ライセンスと商用利用条件で比較。公式ドキュメントと利用規約を2026年9月14日に確認し、両方を同じPCで実行した結果も載せています。

SHAYOUWORLD 更新 約7分

LM StudioとOllamaの選択で最初に押さえるべきは、2026年9月時点でAPI互換性の差はほぼ消えていることです。両者ともOpenAI互換の /v1/chat/completions/v1/responses、Anthropic互換の /v1/messages を実装しており、Claude CodeやCodexのような外部ツールはどちらにも接続できます。残っている違いは、GUIの有無、Apple SiliconでのMLX対応、ヘッドレス運用の作法、そしてソフトウェア自体のライセンス形態です。

この記事は、同じWindows 11 + RTX 3090の環境に両方を入れて実行した結果と、両社の公式ドキュメントおよび利用規約(2026年9月14日確認)に基づいています。LM Studio単体の使い方はLM Studioの使い方、Ollama単体はOllama導入ガイドに分けました。

  1. APIは両方とも3系統。 OpenAI互換(/v1/...)、Anthropic互換(/v1/messages)、独自API(LM Studioは /api/v1/...、Ollamaは /api/...)。
  2. GUIがあるのはLM Studioだけ。 Ollamaは0.30系でメニュー式の ollama launch とトレイアプリを持つが、モデル比較・RAG・プリセット管理のGUIはない。
  3. ヘッドレスはどちらも可能だが作法が違う。 LM Studioは llmsterlms daemon up)またはアプリの「ログイン時にサーバー起動」、Ollamaはそもそもサーバーが本体でsystemd/トレイ常駐。
  4. ライセンスの性格が違う。 OllamaはMIT。LM Studioは独自の利用規約で、個人・社内業務利用は無料だが再配布やサービス提供は不可。

何が同じで何が違うか

LM Studio
Ollama
操作面
GUIアプリ + lms CLI + Python/TS SDK。Discoverタブで検索・ダウンロード・量子化選択
CLI + REST API。0.30系はトレイアプリと ollama launch のメニューを持つが、モデル比較のGUIはない
モデル形式
GGUF(llama.cpp)と MLX(Apple Silicon)。Hugging Faceの任意のGGUFを直接取得
GGUF。ollama.com のライブラリに加えて hf.co/<user>/<repo>:<quant> でHugging Faceから直接取得
OpenAI互換API
/v1/models, /v1/chat/completions, /v1/completions, /v1/embeddings, /v1/responses(既定ポート1234)
/v1/models, /v1/chat/completions, /v1/completions, /v1/embeddings, /v1/responses(非ステートフルのみ、既定ポート11434)
Anthropic互換API
/v1/messages。Claude Code向けに ANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:1234 を案内
/v1/messages。ollama launch claude で自動設定。tool_choice や prompt caching は非対応と明記
独自API
REST v1: /api/v1/chat(ステートフル、MCP対応), /api/v1/models, /models/load, /models/unload, /models/download
/api/generate, /api/chat, /api/embed, /api/tags, /api/ps, /api/pull。num_ctx や keep_alive を毎回指定可
複数モデル同時ロード
load() / lms load --identifier で同一・別モデルの複数インスタンス。JITロードと TTL で自動アンロード
OLLAMA_MAX_LOADED_MODELS(既定 GPU数×3)の範囲で自動ロード。keep_alive(既定5分)で自動アンロード
ヘッドレス運用
llmster(GUI不要のデーモン、lms daemon up)か、アプリ設定の「ログイン時にLLMサーバーを起動」
ollama serve が本体。Linuxはインストーラがsystemdサービスを作成。Windows/macOSはトレイ常駐
ソフトのライセンス
独自の利用規約(2026-08-23付)。個人・社内業務利用は無料。再配布・転売・SaaS提供は不可。lms CLIはMIT
MIT License(Copyright (c) Ollama)。組み込み・再配布に制限なし
対応OS
Apple Silicon Mac(macOS 14+)、Windows x64/ARM(AVX2必須)、Linux x64/ARM64(AppImage、Ubuntu 20.04+)。Intel Macは非対応
macOS 14+(Mシリーズ、x86はCPUのみ)、Windows 10 22H2+、Linux。Docker公式イメージあり
両社の公式ドキュメント・利用規約(2026-09-14確認)と同日の実行結果より

実際に同じPCで動かした

両方をインストール済みのWindows 11機で、同じ日に両方のサーバーを叩きました。ポートが違う(LM Studioは1234、Ollamaは11434)ので共存に問題はありません。

モデル一覧の取り方

Terminal window
lms ls # LM Studio: 6モデル、79.56GB
ollama ls # Ollama: 8モデル、~94GB

LM Studioの lms ls はPARAMS・ARCH・SIZEに加えて、埋め込みモデルを別セクションに分けて出します。Ollamaは ollama show <model> で個別にアーキテクチャや量子化を見る形です。

ロードとVRAMの見え方

LM Studioにはロード前にVRAM必要量を見積もるオプションがあります。

qwen/qwen3.8-27b
lms load qwen/qwen3.8-27b --estimate-only
# Estimated GPU Memory: 16.52 GiB
# Confidence: LOW

実際に小さめのモデルをロードしてみます。

Terminal window
lms load google/gemma-4-e4b --context-length 8192 --gpu max --ttl 300 -y
# Model loaded successfully in 10.60s. (5.89 GiB)
lms ps
# IDENTIFIER STATUS SIZE CONTEXT PARALLEL TTL
# google/gemma-4-e4b IDLE 6.33 GB 8192 4 5m / 5m

Ollama側は同じ情報を ollama ps の SIZE / PROCESSOR / CONTEXT / UNTIL 列で見ます。ロード時のコンテキスト長を明示的に指定できるのはLM Studioの --context-length が分かりやすく、Ollamaは options.num_ctx(API)か OLLAMA_CONTEXT_LENGTH(環境変数)です。

1234 / 11434
既定ポート(LM Studio / Ollama)
両方を常駐させても衝突しない
5.89 GiB
gemma-4-e4b ロード時のVRAM(LM Studio)
lms load --context-length 8192 の報告値
4
LM Studioの既定 Max Concurrent Predictions
lms ps の PARALLEL 列。Ollamaの既定 OLLAMA_NUM_PARALLEL は 1
3系統
両者が備えるAPI
OpenAI互換 / Anthropic互換 / 独自API
2026-09-14、Windows 11 + RTX 3090 での実行

3つのAPIを同じモデルに投げる

LM Studioに google/gemma-4-e4b をロードした状態で、OpenAI互換・Anthropic互換・OpenAI Responsesの3つを順に叩きました。

Terminal window
curl -s http://localhost:1234/v1/models # 6モデルが id で返る
curl -s http://localhost:1234/api/v1/models # 独自API: quantization, max_context_length, capabilities まで返る

Anthropic互換の応答は、Ollamaと同じ msg_ で始まるIDと stop_reason: end_turn の形でした。

{"id":"msg_m0i08iqb4clb7t940wsim","type":"message","role":"assistant",
"content":[{"type":"text","text":"OK from LM Studio"}],
"model":"google/gemma-4-e4b","stop_reason":"end_turn",
"usage":{"input_tokens":17,"output_tokens":5,"cache_read_input_tokens":0}}

/v1/responses"object":"response""status":"completed" の形で返りました。LM Studioの公式ドキュメントに「Codexは /v1/responses を実装しているので対応」とあるのはこのことです。Ollamaも同じエンドポイントを持ちますが、公式ページに「非ステートフルのみ(previous_response_id なし)」と注記されています。

ライセンスと商用利用条件

ここは両者で性格が最も違う点なので、原文を確認しました。

LM Studio は独自の利用規約(Terms of Use、2026年8月23日付)で配布されています。許諾範囲は「personal and / or internal business purposes」で、禁止事項として「sublicense, distribute, sell, use for service bureau use, as an application service provider, or a software-as-a-service」が列挙されています。つまり、自分や自社の業務で使うのは無料、ソフト自体を組み込んで再配布したり、LM Studioを裏で動かすサービスを第三者に売るのは不可、という線引きです。2025年7月8日の公式ブログ「LM Studio is free for work」では、それまで規約にあった「会社や組織での利用は別途商用ライセンスを取得」という条項を撤廃したと明記されています。なお lms CLIは公式ドキュメントに「MIT Licensed」と記載され、GitHubで公開されています。

Ollama はGitHubのLICENSEファイルがMIT License(Copyright (c) Ollama)です。組み込み、改変、再配布、商用サービスへの利用に制限はありません。

どちらを使う場合でも、モデルの重みには別途モデルごとのライセンスが適用されます。Qwen3.6やgpt-oss、Gemma 4のGGUFはApache 2.0ですが、Llama系はLlama Community License、PLaMoはPLaMo community licenseで、商用条件が異なります。詳しくは用途別モデル選び 2026で各モデルカードの記載を引用しています。

どちらを選ぶか

判断軸は「モデルを選ぶ段階か、運用する段階か」です。

  • モデルを比べて選ぶ段階はLM Studio。 Discoverタブで量子化ごとのファイルを選べ、--estimate-only でVRAM見積もりが出せ、GUIで同じ質問を複数モデルに並べて投げられます。RAG(ドキュメントのドラッグ&ドロップ)やプリセット管理もGUI側にあります。
  • 常駐サーバーとして使う段階はOllama。 ollama serve が本体で、systemdやトレイに常駐し、keep_aliveOLLAMA_MAX_LOADED_MODELS でロード管理が自動化されています。ollama launch でClaude Code / Codex / VS Codeなど16の連携先を設定できるのも運用向きです。
  • Apple SiliconでMLXを使いたいならLM Studio一択。 OllamaのmacOS版はMetal対応ですがMLXエンジンは持ちません。
  • ソフト自体を製品に組み込む、再配布するならOllama。 LM Studioの規約では不可です。
  • 両方入れても困らない。 ポートが違うので共存でき、GPUを同時に使わなければVRAMの取り合いも起きません。筆者はモデルの試用をLM Studio、Claude Code / Codexからの常用をOllamaで分けています。

Claude CodeやCodexからローカルLLMを呼ぶ具体的な手順と、実際に動かして分かった品質の期待値はローカルLLMをClaude Code / Codexから使うに書きました。手元のGPUで何が載るかはVRAM別モデルサイズ早見を参照してください。

まとめ

  • API互換性の差はほぼ消えた。両者ともOpenAI互換、Anthropic互換、独自APIの3系統を持ち、同日に両方の /v1/messages が同じ形式で応答した
  • GUI、MLX、--estimate-only、GUIのRAGはLM Studioだけ。ollama launch の連携メニュー、systemd、MITライセンスはOllama側の強み
  • ヘッドレスはLM Studioが llmsterlms daemon up)、Ollamaが ollama serve。どちらも自動ロード・自動アンロードを持つ
  • LM Studioは個人・社内業務利用が無料だが再配布・サービス提供は不可。OllamaはMIT。モデルの重みは別途ライセンス確認
  • 思考モデルは max_tokens を推論で使い切ることがある。推論レベルの設定を確認してから短文用途に使う

「どちらが優れているか」より、選ぶ段階と運用する段階で道具を分ける方が、2026年9月時点の両者の差に素直です。

関連して読む

この記事の情報・検証メモ
Tags
公開日
情報確認
参考リンク
16件
更新性
定期更新
更新管理

仕様・料金・提供範囲が変わりやすいテーマは、公開日・更新日・情報確認日を分けて管理します。 導入前には必ず記事末尾の一次情報と公式ドキュメントで最新状況を確認してください。

検証メモ
Ollama 0.30.6 (Windows 11, RTX 3090 24GB) LM Studio CLI lms (commit ff50809) curl 実行日 2026-09-14
図解を保存・共有

記事の要点を1枚にまとめました。画像は新しいタブで開いて保存できます。

LM StudioとOllamaの比較:GUI/CLI・API互換・複数モデル・ライセンス API互換性はもう差がない。分かれるのはGUIの有無、MLX、ヘッドレスの作法、ソフトのライセンス形態 共通になった部分:/v1/chat/completions と /v1/responses の両方に対応。/v1/messages(Anthropic互換)も両方にある。Hugging FaceのGGUFを直接取得できる。 残る違い:LM StudioはGUI・MLX(Apple Silicon)・ネイティブREST v1。OllamaはMITライセンス、systemdや ollama launch の連携。ヘッドレスはLM Studioがllmster、Ollamaがserve。 選び方:モデルを比べて選ぶ段階はLM Studio。常駐サーバー・スクリプト化・CIはOllama。両方入れて使い分けても衝突しない(ポート1234と11434)。
LM StudioとOllamaの比較:GUI/CLI・API互換・複数モデル・ライセンス 記事の要約 2026.09.14 比較・選定
Primary sources

一次情報・参考リンク

About the author
SHAYOUWORLD

日本の公共データAPIを使うMCPサーバーを作って公開し、ローカルLLMを自分のGPUで測った記録を、一次情報・検証ログ・失敗例とあわせて整理します。